差出人
父の携帯から訃報の一斉送信をする息子が、変換候補に残った父の言葉と向き合う話。
父の携帯から訃報の一斉送信をする息子が、変換候補に残った父の言葉と向き合う話。
駅のベンチの下に毎朝落ちている小さな折り紙を拾い続けた青年が、その送り主と約束に出会う話。
家族共有の健康アプリに残る歩数の記録から、亡き母と父の日々を読み取ってしまう娘の話。
隣室の引っ越しから、顔も知らない住人の暮らしの終わりを読み取ってしまう「私」の話。
コンビニ夜勤のレジ越しに、毎晩肉まんをひとつ買っていく無口な男の冬を見守ってしまう「僕」の話。
卒園式の日にもらった連絡帳を読み返し、自分の欄が謝罪と空欄ばかりだったことに気づく父親の話。
脳の速度を上げられる時代に、五歳の娘の話だけが定格でしか聞けない父の話。
水槽の中で暮らす生き物が、乾いた国と湿った国、骨の橋、透明な壁の向こうまで、自分だけの世界を一日かけて探検する話。
一杯の醤油中華そばを味わい尽くす、十二分間だけがすべてになる食レポ。